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不覚

ちょっと眩しいけれど、運転中のサングラスをはずして、自然の色を楽しみたくなる。
そんな天気のよい週末。

自分がトレーナーとして使っている道具を紹介していくというシリーズの第一回です。

不覚_b0143079_8491166.jpg


どこのトレーニングルームでみる、大きな柄つきサランラップのようなこの道具。
ような、というか、そのままなのですが。
主に、アイスバッグを体に固定するのに巻きます。
回転する青い柄の部分と、ラップの部分に分かれていて、ラップが無くなったら、柄から取り外して新しいラップに取り替えます。
たまに柄とラップがキツくなっていて、取り外すのに二人がかりで引っ張ったりする時もあります。

先日、このラップを取り替えようとしていた時の事。
なかなかキツく、人に頼む前に自分で頑張っていましたが外れず。
こんにゃろう、と思い、身を屈めて力いっぱい引っ張ると、”ポンッ” という音と共に、“ドスッ”という鈍い音、そして思わず”うっ”とうずくまる程の腹部への息が止まるような痛み。

自分の体に向け全力で引っ張ったものだから、ラップが抜けた瞬間にその引っ張る力のままに自分のみぞおちを自分の拳でど突いてしまったのです。

あまりに間抜けなシーンだけれど、まわりに誰もいなかったから良し(すんごい痛かったけど)、と思いフー、と一息吐いたら、一人の選手がしっかり見ていて大笑いされました。

そんな事をしながらも、毎日楽しく学びながら働いています。

ちなみに、このシリーズは一回完結です。たぶん。
# by u2k_maru | 2008-08-03 08:50 | その他

一緒に働くということ

チームワーク。
その大切さは、使い古される程に色々な例えや表現で強調される。
実生活は算数ではないので、1+1が2になることは稀で、3になってみたり、はたまた1以下にもなりうる。

Attack Athleticsでは、基本的に3つのprofessionがクライアントをサポートします。
(クライアントにも契約によってランクがあって、この3つのサポートをフルに受けられるのはプロの選手)
ウエイトトレーニングやシューティングドリルを担当するTimをはじめとするスタッフ、
クライアントのインバランスを修正を担当、Physical Therapist のDave、
“Performance enhancement massage”を自称するマッサージセラピストのM。

クライアントを共有する難しさ。
例えば、Daveが評価の下にover active(働きすぎ)と判断した筋肉をリリースしたのに、Mはその直後にactivate (活性化?)させる運動をさせてしまったり、
自分達はover useと判断したものの、トレーニング担当のスタッフはそこに焦点を当てたトレーニングをさせていたり。

コミュニケーションが取れていない、という簡単な問題ではありません。
コミュニケーションは、同じバックグランドがあれば有効なのだろうけれど、それぞれ違ったバックグラウンドを持つ専門家達となると、その難易度はグンと高くなります。
理論を重視する人もいれば、経験を重視する人もいるし、それぞれにあるプライドもまた壁となります。

例え、同じAT同士だったとしても、それぞれのスタイルはあるんでしょう。
意識の高い人同士だったら、なおさらその傾向は強くなるはずです。

(Timはこの辺りにも気づいているようで、頻繁に意見を聞いてきます。
自分や、Daveのアシスタントの学生の意見にも耳を傾ける姿勢は、素晴らしいと思う。)

このシステムができてから、まだ一年位らしいので、まだ発展途上なのでしょう。

今自分が見ている状況は、自分が一人きりで働かない限り、将来、かならず直面する。
その時にどれだけ柔軟かつ芯のあるプロになっていられるか。
そしてそういう同僚を持つ事ができるか。

もうすぐ八月です。
自分にとって、この留学生活の最大の転機になり得る月がすぐそこまで。
# by u2k_maru | 2008-07-30 09:11 | ATTACK ATHLETICS

3年間

ここ数日、シカゴはとてもいい天気。
特に朝夕は、日差しがあっても空気が少しひんやりしていて気持ちがいい。
過去に同じような空気を共有した人たちや、その時期を思い出して、ちょっとだけ思いに耽ります。
それに加えて、空を行き交う飛行機。
やはり、どんなに充実した時間を過ごしていようと、帰りたい場所というのはあるものです。

一日は、7時くらいに家を出て8時から働き始め、18時前後に仕事が終わって、それからワークアウトをして20時くらいに帰ってきます。

最近は、仕事から帰ってきて、適当に作った晩御飯を食べながら、マイケルジョーダンのDVD(Ultimate Jordan)を観ています。
このセットには、His Airnessをはじめとする6つの作品に加え、ジョーダンのベスト5と言われる試合が、まるまる入っている素晴らしいDVDで、
留学最初の一ヶ月を過ごしたミネソタの語学学校時代に、自分を発奮させるために(という言い訳のもとに)買ったものです。
当時は、大して英語が理解できず、映像のみを楽しんでいました。

(ジョーダンについて書き始めたら、えらく長くなってしまったので消しました)

そのDVDを、ブルズの本拠地シカゴで、彼のトレーナーだったTimの下でインターンをして、映像以外も楽しみながら観ている事を考えると、語学学校時代の自分からは、ある程度褒めてもらえそうです。

今の自分からは、まだまだ、全然ですけど。
満足した自分は想像すらつかないけれど、とりあえず先は長いことは確かです。


渡米して、(約)3年が経ちました。
# by u2k_maru | 2008-07-25 08:59

人の体と馬

金曜日。
自分がシカゴに来てからずっとお世話になっている、まささんを仕事が終わった後にAttack Athletics に招いて一緒にシューティング。まささんは、UIC(University of Illinois at Chicago, Division Iの大学で、Attack Athleticsから10分ほどの距離)でフルタイムATとして働ていて、自分が来る前からTimをはじめとするAttack Athleticsのスタッフと面識があるので、すんなりOK、というかTim達も歓迎モード。

シューティングをしている途中で、Glutus Medius(中殿筋)の話になり、場所をコートからトリートメントテーブルやリハビリの器具がある部屋に移動。
自分が膝を怪我している事もあって、自分に対して色々なmanual therapyを施してもらいました。
ここで書くにはマニアックになってしまうし、自分が教わったのはまだ表面の部分ですので省きますが、もう、シカゴに来てよかった! という感じです。
Timからは、普通とは違うトレーニングを学び、 PTのDaveからは体のインバランスへのアプローチを学び、そして今回も、まささんから、彼が今までに習得した+現在学ばれているテクニックを。
もちろん、彼らとは知識や経験の土台の厚み、そしてテクニックの習熟度がかけ離れているので、それを使いこなすにはまだまだ至らないけれど、こうやってキャリアのスタート時期に、遠くに光る旗、とでもいいましょうか、それを経験、体験できているのは大きな糧です。

自分がAthletic Trainingという限定された分野にどれだけ留まるかは分からないけれど、「人の体」に対する興味と追求は、一生モノだと思います。

さて、その日は遅くまで残っていたクライアントのNBAプレイヤーとHORSEというシューティングゲーム(一人が好きなところから好きなようにシュートを打ち、それが決まったら後の人も同じ事をしなければならなく、後に続くプレイヤーが外した場合は、HORSEから一文字ずつ与えられ、全てが揃ったら負け)もしました。
If you can make it, I can make it という、とてもアメリカらしいゲームだな、と個人的には思ってます。
NBAラインのスリーポイントが厄介だな、とは思っていたけれど、その日はタッチがよかったので、思ったよりはハンデにならずに済みましが、逆に自分の普段得意なシュートが決まらずに、相手に文字を中々与える機会を得られず。
後半に彼の集中力が切れたのもあって、競れたけれど、後一文字で勝ちを逃しました。
とはいえ、彼は片膝アイシング+サンダルですが(もちろん本気じゃないし)。
この選手、自分よりも年が下の若い選手ですが、今まで接したどのプレイヤーよりも礼儀が正しく、驚くくらいの好青年。
アイスバッグを頼む時すら、"is there any possibility...."って感じです。
同じプロ選手でも、こういう差って、どこから生まれるんだろう。
環境?教育?
今はリハビリ中ですが、彼が復帰したら、毎試合スタッツをチェックする事間違いなしです。

Attack Athleticsを出た後は、China Townまで連れて行ってもらい、晩御飯をご馳走になりました。まささんもまた、大のバスケ通なのでATの話に限らず、話が尽きる事はありません。幾つかの武勇伝も聞かせてもらい、感服です。

今週末は土曜日も仕事だったけれど、少しの疲労感と、たっぷりの充実感。
# by u2k_maru | 2008-07-21 00:31 | ATTACK ATHLETICS

環境

今、中国人選手がクライアントとしてきています。
少し前に書いた233センチの選手は、中国に帰りましたが(オリンピックでプレイするのでしょうか)、今回は17歳の高校生。
高校生にして6’10 (208センチ)の身長で、スリーポイントも打てるし、ドリブルも中々のモノ。
ジュニア代表からフル代表への昇格を狙っているそうで、毎日NBA選手と一緒に汗を流しています。
興味があったので聞いてみると、やはり国からのサポートで来ていると。

Attack Athleticsには、過去に韓国人選手もトレーニングをしに来ていたらしいです。
中国と韓国。
アジアのバスケットボールで、日本の上を行く国。

もちろん、Attack Athleticsが世界で一番のトレーニング環境だとは言い切らないし、日本国内にだって素晴らしい環境はあるんでしょう、きっと。

ただ、仮にこの場所が世界で一番、という話になった時。
この場所に国のサポートで選手を送る、という流れは今の日本にはないのではないかな。
内部事情に詳しいわけでもないけれど、ゴタゴタは海を越えて伝わってきています。

中国人、韓国人の友達に聞いた、彼らの国での一般プレイヤーのバスケット事情を聞くと、素直に見習いたい、とは言えない。
けれど、国を代表するプレイヤー達の成功は、願わざるにはいられません。
土台を変えずに、トッププレイヤー達だけに責任を押し付ける、というのもまた無責任な発想ですが。

日本と同じレベルにいる台湾は、日本よりも圧倒的にバスケ熱は高かったです。
外にあるコートの数は比べ物にならないし、ナイキショップの中にコートが在るくらい。
でっかいビルにkobeの写真がどーん、と描かれていたりと、街の至るところからバスケを感じられました。

下にいる者が、上に追いつき追い越すには、相手以上の事をしなければならない。
単純な事。
上にいる者よりも劣った事をしているならば、同じレベルに現在ある相手が自分達以上の努力をしているならば、結果は然るべきものになるでしょう。

刺激に溢れた場所で、上を目指す青年を見て、応援する気持ちと、焦りにも似た気持ちを覚えます。
# by u2k_maru | 2008-07-17 22:40 | ATTACK ATHLETICS