足首のテーピング。
「アスレティックトレーナー」と言ったときに、一般の人がイメージするのは、足首にテーピングを巻く姿が多いかもしれません。 それくらいATにとっては、基礎となる技術の一つだと思います。 特に、バスケットボールは足首にテーピングを巻く機会が多いスポーツの一つ、というか一番多いのではないでしょうか。 留学生トレーナーにとっては、選手の信頼を勝ち取る、一つの好機会でもあるのでは。 自分は、アメリカに来るまで、まったくテープが巻けませんでした。 最初の一年間を過ごしたウィノナで、ATRの見学をする時にスタッフや学生トレーナーが巻く姿を見てイメージを掴んだのが始まりです。 その後、出来ると思ってフィオナの足首を借りて巻いた最初のテーピングは、それはそれは酷いものでした。 写真を撮っておけばよかったな。 時間は経って、アーカンソーへ移り、テーピングのクラスをとり、先輩に教わったり、クラスメイト兼ルームメイト(自分のATの先生とも言える)Dustanに教えてもらったり、もちろん、ゴミ箱をテープの山にして練習をしました。 バスケットボールチームでの実習が始まり、自分の今までの練習の成果をヘッドトレーナーのDaveに見てもらい、巻き方をDave流に合わせてテストをしてもらい、選手に巻かせてもらえる許可がもらえました。 その後は毎日の練習時だけではなく、試合の時も、SECトーナメントやNCAAトーナメントという大舞台でも任せてもらえたので、それなりの経験と自信をつけてきたつもりです。 (NCAAトーナメントの時は、“これが最後のテーピングじゃないからな”と選手と話をした事をよく覚えています。残念ながらUNCの前に散りましたが。) University of Arkansasを卒業してATTACK ATHLETICSでのインターンが始まると、テーピング等の仕事は全て自分が担当する事になり、主な対象は、クライアントであるNBAプレイヤー。 ATTACKで最初に巻いた選手が、あまりにビッグネームだったので、その時は(冷静を装いつつ)必要以上の緊張をしましたが、慣れもあるので今では“必要以上の”緊張はしません。 最大限まで集中するので、熱さによるものではない汗はかきます。毎回。 (偶然が続いているだけかもしれませんが、NBA選手は、ヒールロックを異様に嫌がります。ホワイトでヒールロックをすると、絶対にやり直しを頼まれます。チームではどうやっているんでしょ。) さて、先週一人の選手が、足首を捻挫しました。 もともとGI(3段階のウチ、一番軽いヤツ)の捻挫である事やトリートメントの甲斐もあって、テーピングつきでピックアップゲームに復帰する事に。 (この怪我へのアプローチで、PTとマッサージセラピストの二人も参加したので、ちょっと困惑しました。機会があったら、書こうと思います) が、この選手、テーピングに対してあまりに敏感。 昨日巻いた直後はPerfectと言ってたのだけれど、終わった後にIt was too tightと言われました。最初のテーピングが好みに合わない事は、仕方がないと思っています。 キツめのテープが好きな選手もいれば、そうでない選手もいるし、巻き方や高さも好みがありますから。 スタッフからも“彼はかなり難しいと思うけれど、出来るだけ安全面を確保した上で意見を尊重してくれ”と言われました。 ということで、今日のテーピングは少し調整を加えました。 が。。。 ピックアップゲームの途中で”Tape cutter!”と言われてしまいました。 そしてそのテープが切られている間、ゲームは中断。 ゲームの途中で自分の巻いたテープを切られてしまうことは、トレーナーとして、とても恥ずかしく、悔しさは自分に対する怒りにまで変わっていたと思う。 正直、あれをキツすぎると言われたら、サポート性を確保する事は不可能ではないか、と思う。結局そのゲームの後に、もう一度頼まれたけれど、それはストレッチテープだけを使ってくれとの注文付き。 幸い、残りのゲームで彼が足首を痛めることはなかったけれど。 彼の不快感を最小限に抑えつつも、最小限のサポートを与えるやり方は、きっとある筈。 以下は、少しだけ専門的です。 最近の自分のテープの巻き方は、 ベーシックなスターアップとホースシューを終えた後に、inversionを防ぐperonealの働きをサポートするように強度のある伸縮テープを使ってmedialから巻き上げます。ヒールロックはCalcaneusのvalgus/vurusをチェックしてそれをneutralに戻すように伸縮テープで一回巻いた後、ホワイトでもう一回。Figure8は、Plnater Flexionを制限する事による他の部位のcompensationが起こると思うので、しません。特にバスケットの場合は跳躍の回数が多いので。 もしかしたら、peronealサポートがきつ過ぎたのかもしれません。どうしてもアーチを低くする方向に力をかけてしまう+post. Tibにストレッチがかかってしまう事によって、負担がかかってしまったのか、と考えています。 ふむ。
by u2k_maru
| 2008-08-31 04:03
|
カテゴリ
以前の記事
2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2003年 09月 フォロー中のブログ
Links
Enhancing QOL
高校バスケ部の尊敬する先輩。その行動力とバイタリティには頭が上がりません。MITでアクティブな義足の研究をされています。 #107 高校バスケ時代、最も大きな壁となって立ちはだかったライバル。設計士の卵であり、旅人です。 FREE☆STYLE 自分がバスケを続ける限り、目標とする先輩。スリー、ドライブ、ポストアップと何でもアリ。指導者としても経験を積まれています。 MY LIFE 高校バスケ部の先輩。独特の口調から語られる世界観は味があります。 DRIVING! 早稲田、Arkansasでの後輩であり、元ルームメイトでもあるタカオ。よい意味でのCrazyさ賢さを併せ持つ、勉強熱心な野球少年。 歩 Arkansasでの先輩であり、ルームメイトとしてもお世話になりました森部さんのブログ。料理から洗濯まで、一流の主夫になれます。とても頭のキレる方です。 Slow Life Salem State CollegeでフルタイムATとして活躍中の直子さん。姉御肌の頼れる先輩です。 No Dream, No Life!! 日体協ATであり、理学療法士。そして今は鍼灸を学んでらっしゃる海さん。自分の学んでいる事の奥の深さと可能性を教えてくださいました。 2 be a badass Ohio Stateのまさ君のブログ。とてもいい笑顔から好青年さが滲みでてました。野球大好きっ子のようです。 W3 その大胆な発想と行動力。”男に二言は無い”を地で行く侍、の萩さんのブログ。 BE-151A- Illinoi StateでATを学んでいるスポーツ大好き素子氏のブログ。その大人しそうな外見からは想像もつかない行動力、そして鋭いつっこみの持ち主。 一般人 ハートの強さと、そのストイックさが、どこまで彼を導くのか。日本の大学で知り合い、アメリカで再会したバスケットボールプレイヤー、栗原祐太。 Dice's BLOG Knicksをはじめ、多くのNBAチーム、カレッジが顧客のゲームデータ管理をする会社でインターン中のダイスケ君のブログ。またの名をCoach D。 Boogie Life NYでストリートボール武者修行中。ストリートボーラー達にとって、最先端をいく開拓者なのでは。飄々とした雰囲気や文章に隠れた、新しい物を創り出す夢と野望。 馬鹿バスケ バスケの奥の深さを客観的に数字で表す統計でバスケを読み解きます。ABAでのコーチ経験もあり。 iiwave 留学をする以前からも、後もお世話になりました。 自信を持ってお勧めできる留学サポートです。 吟 自分の元ブログ。 Arkansasでの二年間を綴りました。 軌跡 これまた自分の元ブログ。 語学学校とWinona State Universityでの留学最初の一年間です。 追求夢想 New York Knicksでのインターンを得るまでの過程を記録したブログです。 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||